2018年9月28日金曜日

🌟中央区人権を考えるつどい

講師の田尻さんの著書

高宮校区から多数参加!

赤ちゃんポストに理解を!

赤ちゃん縁組の映像に感動!







熊本市の慈恵病院で、親が育てられない赤ちゃんを匿名で預かる全国唯一の施設「こうの

とりのゆりかご」(赤ちゃんポスト)運営の中心となった元看護部長、田尻由貴子さんの

講演。

28日、中央市民センターであり、高宮校区人権尊重推進協議会のメンバーも大勢が聴講し

ました。

自分で育てることができないとして、赤ちゃんが預けられたケースが2007年の運用開

始から2016年までに130人もあったそうです。預ける人は全国から来るそうで、福

岡からも多いということです。

しかし、「赤ちゃんポスト」は、設置を阻む環境もあり、次に続く施設がなかなかできま

せん。

田尻さんは「それでも生まれたばかりの赤ちゃんの生命をつなぐために」赤ちゃんポスト

は必要だと訴えておられます。

田尻さんは、病院を定年退職後、望まない妊娠や子育てに悩む女性の電話相談に当たって

おられます。この日の講演では、予期せぬ妊娠をし、生活困窮や未婚、若年妊娠、パート

ナーの問題などで、苦しむ女性からの相談が増えていることを報告。相談施設の増設、親

の愛情を持った子育て、社会による子育て、里親の促進、若者を取り囲む環境への対応な

どについて、重要な提言をされました。

さらに、田尻さんが実際に担当した「赤ちゃん縁組」のドキュメンタリーが映しだされま

した。子どもができない夫婦が未婚の若い女性の出産の場に待機して、生みの苦しみを一

緒に感じる思いで無事出産を祈り、赤ちゃんを養子として引き取った様子に、多くの聴講

者が感動して、目頭を押さえていました。

日本の里親委託はなかなか進まず、わずか17.5パーセントしか養親に引き取られていな

い一方、オーストラリアは93パーセント、イギリスは71パーセントもあるそうです。田尻

さんは「自分が産んだ子は自分が育てる(という考え)だけではありません」と話されま

した。

日本における里親に関する制度は、特別養子縁組(親権が養親に移る)、普通養子縁組(

親権は実親に残る)、養育里親(戸籍上のつながりが発生しない)の三つの方法があるそ

うです。もっと、関心を持たねば、と感じられた方が多かったのではないでしょうか。


講演をしてくださった田尻さん

高宮から大勢参加
会場の市民センター